てらのバイク旅

日本社会でガッツリ働きながら海外をバイク旅して、体験したことや感じたこと、旅の情報を綴ります。 モンゴルバイク旅の素晴らしさと情報を発信したいと思い、立ち上げました。

5日間で走るモンゴル

旅先で欧米人と話してると誰も彼も休みは2、3ヶ月、様々な国を周りながらバケーションを楽しんでると語ります。私の2週間という比較的恵まれた数字でも気を遣われるので言い出しづらい…

ましてや家庭持っている人など、なおさら自由に使える時間は少ないと存じます…

 

でもその現状の中でもやりたいことを諦めない。人生は一度きり、老後も心身同じコンディションかは分からない。やりたいと思ったその時、今がやり時という心理にできるだけ従って生きるべきではと思ったりします。

西側から見ればアジアの最果ての大地。そこをバイク1つで自由に駆ける。最高の体験すよ。

子育ての合間など、わずかの休みでも行きたいという熱があるなら、ぜひ行って欲しいなって思います。

自分持ってる、かっこいい父ちゃんや奥さん、いいじゃないっすか。

 

前置き長くなりましたが、5日間で行けるモンゴルツーリングプラン、提案します。

時間・距離も短く人里からも離れすぎないので、モンゴルツーは気になるけど未知すぎておっかない…っていう人にもおすすめします。

 

※注意 今回のプランは私の経験と現地の味戸さんの話を基に、地図とにらめっこしながら考えたルートです。実際に行っていない場所が含まれますので、Google map(航空写真モードとストリートビューがオススメ!)での下調べ、現地到着後の情報、現場の様子などで総合的に判断しながら、参考程度にお願いします。

 

1日目 成田発〜ウランバートル

中国・韓国乗り継ぎなど、夕方までに到着できる便を探せば、空港で両替&SIM購入、パッキング等ツーリング準備を初日に済ませ、2日目から走り出すこともできると思います。(細部は前回までのブログ参照)

中国乗り継ぎだと荷物一度ピックアップ&入国審査となることがあるので、そこだけ調べてみてください。

 

2日目 Relax House発

初日が夜着の便になり準備が終わらなくても、今回の目的地は近いので、午前中に準備を済ませ、昼から走り始めることもできると思います。

今回の目的地のエリアはこの辺り。

 

味戸さんが「少し北の方に上がった辺りで楽しめそうな草原の丘がある。雰囲気で分かる。そこで十分満足できる」とお話しされていました。

私自身も最初のモンゴルバイク旅の最後、大満足で締めることのできた、モンゴルらしい最後の野営地がこの付近のエリアになります。

素敵でしょ。

 

ただごめんなさい、この場所の正確なログを取ってなかったので、ここをそのまま紹介できる訳ではないです。

代わりに私なりに目星のつけた辺りを紹介します。

google mapの投稿写真です。

https://maps.app.goo.gl/8Fds6f5XDSaiFaRV8?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

Google mapでパラグライダーの練習場所みたいに出てました。

丘と広い草原、ゲルも見える。きっと環境がいいからスポットになったんじゃないかってので、ここら辺に目星つけてみました。

 

衛生写真見てる感じだと途中からダートになるのでルート案内よりも時間はもっと掛かると思いますが、いずれにせよスタート地点のRelax houseからもかなり近くに見えます。

ここら辺を一つの目安にしながら周辺を探検してみて、「ここいいかも」と思った場所で幕営する感じでいいと思います。草原の真ん中も素敵だし、丘の中腹や上なんかも気持ちいいかも。

 

ゲルの前が狭い一本道になってる場合は、その先は実質私有地的な雰囲気の場合もあるので、様子見ながらで。(そういう所は番犬が延々追っかけてきます、怖い)

 

だだっ広い場所も当然いいですが、あえて遊牧民のゲルからギリ見えるぐらいの場所で張ると(相手が不快にならない程度に距離は取ってくださいね)、興味本位で現地の人が声かけてきてくれて、お茶ご馳走になったりすることもあるかも知れません。

 

そうやって途中町の食堂で昼食取ったり買い出ししたりしながら、勘に任せて草原や丘を求めて走り回りつつ、2泊3日でぜひ堪能してください。

 

ちなみにダート道はこんな感じで登場します。自分なりに目星つけたりしてみるのも楽しいかも?

 

4日目

Relax houseに帰着。少し余裕を持って到着し、ウランバートルでチョコやウール、カシミア製品などのお土産買うのもいいかも知れません。

 

5日目

朝の便で出国

 

ほぼ最短コースですが、中は余裕はある日程だと思います。

 

皆さんの海外ツーリングライフの一助になれば幸いです。ではご安全に!

1週間の休暇でモンゴルの草原を駆けるツーリングプラン

前回の記事で、1週間プランを組んでみました。

自分は渡航2回、延べ1ヶ月程モンゴルでバイク旅をしましたが、とにかくモンゴルの大地の美しさを感じられ、満足できたのが中央モンゴル、アルハンガイ県方面でした。

https://maps.app.goo.gl/MURYfbswyMgccNUb9?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

その土地を推す理由としては、観光地として加飾されていない、チンギスハンも同じ風景を見ただろうなと思わされる大地と遊牧民の暮らしに出会えるということ。

緑と水に彩られ、丘に登れば息を呑むことすら忘れる程の、果てなく美しい地球を見渡せる。

そして自分が駆るバイクと身一つでその風景と巡り会えたということ。

一生の宝になる、もう一つの時間を自分も手にすることができたと、はっきりと感じました。

 

そういう体験に近付ける場所をと、前回もこの方面を選定しました。

 

前置きが長くなりましたが、今回は「草原をバイクで駆け、広大な自然の中で過ごす」ツーリングルートを紹介します。

 

プラン2「1週間の休暇で走るモンゴル 〜中央モンゴルの草原と大丘陵で過ごす夏休み〜」

難易度 ★★☆☆☆(フラットダートをある程度余裕を持って走行できる人ならOK。要野営)

 

※1日目、2日目は前回に同じ

 

3日目:ウランバートルを出発し、ウギー湖畔 泊

 初日は前回のブログと同じく、ウギー湖畔で野営またはツーリストキャンプ泊とします。

今回の目的地に最短距離で向かうには中継地点のボルガンという大きな町に向かいたいところですが、正直モンゴル初日に走り切るには距離があり過ぎてリスキーです(しかもただの都会です)。私なら遠回りでも自然豊かなウギー湖に向かいます。前回と同じく、こちらも一日で着けるかは状況次第なので、無理せず途中での野営も検討してください。(出来ればウギー湖まで来て欲しいけど)

ボルガン

https://maps.app.goo.gl/vCHZv3BtbR4ec6ss6?g_st=com.google.maps.preview.copy

 ちなみに野営でも宿でも、単身で旅をしている状況で18時以降にまだ宿泊に入れていないと、作業中に日没を迎えたりチェックインが難しくなったりするので危険です。

 

4日目:Uran Togoo Dead Volcanoへ 泊

 味戸さんにおすすめしていただいた、「木陰や草原で気持ちよく野営して過ごせる場所」とのことです。今回のプランはここを目的地としてみました。

https://maps.app.goo.gl/mwSmAgXmn8bqGZaU9?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

写真で見たところですが、かなり開けた草原と小高い山林からなる、This is Mongoliaな場所と言える感じです。

私も次のモンゴルで行ってみたい!

 

5日目:Uran Togoo Dead Volcano付近探検→ウランバートルに戻りながら野営

 ここまで来られれば経験値も少しずつ積んでいるハズ。気を抜かず、でも嗅覚でお気に入りの場所を見つけてみてください。でも自然の中で過ごしていることを決して忘れずに。

道から外れたら何があるかわかりません。不意に表れる凹凸での事故、ぬかるんでいる雰囲気の場所には絶対にいきなり突っ込まない(ハマって一人では脱出不能になる)。固い低潅木を踏み抜いてパンク、天気の急変(遠くでも黒い雲があれば要注意)…

「大丈夫」の確証が十分に得られるまでは、特に周囲に人がいない時は、バイク降りて歩いて確認するなど、慎重過ぎるぐらいで。

 

 また、日程に余裕のある人は、この先のムルンの町を経由し、フブスグル湖に向かうのもひとつです。

https://maps.app.goo.gl/C1ywBWof4cfVdA8e6?g_st=com.google.maps.preview.copy

https://maps.app.goo.gl/UsGG994XPsPTZiUs6?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

6日目:ウランバートル、Relax Houseへ帰着、泊

 バイクで1日で帰るには正直難しいです(500km,7時間)。きっちりこの日程で帰らなければならない人は、5日目には往路通ったルン郡付近や、エルデネト、ダルハンなど北回りの大きな町(かなりしっかりした舗装路ルートです)、または道中いい所で野営など、途中まで戻って1泊してください。

ちなみにウランバートルまで戻るルートは大きく北回りと南回りの2つあります。両方ともきちんとした舗装路です。あえてダートで移動することもできると思いますが、かなり時間がかかるため、限られた日程の時には私なら舗装路で距離を稼ぎます。

北回りはよく整備された高速道路のような道で大きな町を繋ぐルート(道沿いに野営に適した場所もあります)、南回りは田舎で景色もいいですが、往路でも使っているのなら、気分を変えるのも一つかも?(時間で景色も変わるので往復も全然あり)

北回り

https://maps.app.goo.gl/SZW4a1osftdjhBTLA?g_st=com.google.maps.preview.copy

南回り

https://maps.app.goo.gl/gyVgMuaLbkMvG76u9?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

7日目:早朝フライト、帰国(もう1日ある人はウランバートルでショッピング)(前回のブログに同じ)

 正直言うと、トラブルあった際の予備日でもう1日欲しい。検索してみたら中国国際航空大韓航空なら昼着なので、空港で両替とSIM購入済ませて、翌日から走り出すことも可能かも(早め購入推奨)。

中国国際航空

www.skyscanner.jp

大韓航空

www.skyscanner.jp

※乗継、受託手荷物の制限などは航空会社の規定を確認のこと。

 

 

2本ルートを紹介しましたが、「正直7日も自由にならない…」というそこのパパ、次は5日プラン、やります。乞うご期待。

休暇で行ける、モンゴルツーリングプラン

めっちゃご無沙汰です。

なんか怒涛の日常生活に押し流されて記録すらままなってない。風化する前に書き留めておかないと。

 

 

それはともあれ、今年の海外ツーリングの計画を立てる季節になってきましたね。

今回はモンゴルに実際行ってみたい!でも情報ないし休みも限られてるからという方向けに、「短期間、初モンゴルでのツーリングルート」をご紹介できればと思います!

難易度も抑えたコースかつ人里も離れすぎないので、リスクも低く設定できているとは思います(装備等、きちんと準備はしましょう)。



プラン1 1週間の休暇で走るモンゴル〜中央モンゴルの麗しい風景と砂漠を満喫プラン〜」

難易度 ★★☆☆☆(フラットダートをある程度余裕を持って走行できる人ならOK。要野営)

 

前提として、レンタルバイクは味戸さんの「Relax house」でお世話になる想定

https://maps.app.goo.gl/RXtW3eLaZSc8gJNz8?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

1日目:モンゴル夜着Relax house

 成田からの直行便、ミアットモンゴル航空は夕方発夜着になります。ここが勿体無い。

韓国経由などならもうちょっと何とかなるのかな?でも直行が便利かつ安い

 

2日目:ウランバートル市内で両替、SIM購入、パッキング

 日程がタイトであればここから走り出すこともできます。ただ、現地の様々な情報などお話を聞いたり、現地の空気感に慣れたりと、心に余裕を持って万全のコンディションで出発するのであれば、ここで1日使うのも有意義ではあると思います。

両替はこの通りに集中しています。

https://maps.app.goo.gl/9HPD9RPbkzB8FRbEA?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

3日目:ウランバートル出発〜ウギー湖Ugii Lake(ウギー ヌール)湖畔周辺 泊

 幹線道路で真西に進むとほぼ舗装路のまま5時間程度でウギー湖周辺に到着します(湖周辺でダート)。

https://maps.app.goo.gl/AqDsQhzG8RDuMFNXA?g_st=com.google.maps.preview.copy

途中の町、あるいはドライブインで昼食休憩など取りながらでも、野営の際の到着目安時刻17時台(夏のモンゴルの日没は21時前)までには湖に到着できると思います。もし間に合わなさそうであれば途中、幹線道路を若干逸れた辺り(なんなら道沿いでも)で気持ちよく幕営できそうな場所を見つけてしまっていいと思います。私も最初、出発が午後になったため、ルン郡の川を越えた辺りで好適地を見繕いました。(めちゃくちゃ気持ちよかったです。小バエがすごかったけど)

https://maps.app.goo.gl/UHyAakMdkLK6bNcN9?g_st=com.google.maps.preview.copy

 もう一つ注意点があるならば、ウギー湖周辺はツーリストキャンプ(ゲル)が多数あるので、それらの敷地の周辺で幕営する際は、どこなら張ってよいか一声確認すると完璧です。それか完全にテリトリー外っぽい場所に張るか。

モンゴルの水と大地に抱かれた夜を独り占め。満喫しましょう。

 

4日目:ウギー湖を南下〜オルホン川沿い 泊

 この日は1週間モンゴルツーリングのハイライト、川沿いのダートをのんびり走りながら、モンゴル国内でも「麗しの」と謳われるアルハンガイの自然を満喫しましょう。先を急ぐなら南下してカラコルムに到着することも簡単ですが、観光地の町で過ごすためにモンゴルを目指した訳じゃないでしょう?

湖を見下ろす丘周辺、川沿いのダート、道なき道を心ゆくまで探検しながら、最高の幕営地を探しましょう。

巡り合わせが良ければゲルで生活する遊牧民との交流もあるかも?

 

5日目:オルホン川沿い〜カラコルム〜「Elsen Tasarkhai(Sand Dune Mini Gobi)」(小砂漠)〜「Ulaanshiveet」村近郊 泊

 カラコルムはかつてのモンゴル帝国の首都。今はわずかに遺跡と寺院が残るばかりですが、モンゴルにおける幾らかゆるやかな雰囲気を纏った草原のチベット仏教と、モンゴルの歴史を見られる博物館に興味のある方はぜひ。

https://maps.app.goo.gl/cz12QeFHcgzMsqC5A?g_st=com.google.maps.preview.copy

https://maps.app.goo.gl/GnHkXBThxyBHxatc7?g_st=com.google.maps.preview.copy

そこから東に向かうと1時間ほど(舗装路)で砂丘が見えてきます。ミニゴビという名前と立地のイメージよりも意外としっかりした砂漠が広がっています。せっかくここまで来たのならサンド走行体験はいかが?

https://maps.app.goo.gl/Az92tEynQgQpT8z68?g_st=com.google.maps.preview.copy

良さげな場所があればどこで幕営してもいいんですが、下の村はのどかで雰囲気が良かったので、村はずれの丘なんかで張ってみたいと思いました。

https://maps.app.goo.gl/tgmcUQtkDBDigVfX6?g_st=com.google.maps.preview.copy

幕営生活に疲れた人は、カラコルムで宿を取るか、砂丘でツーリストキャンプに泊まってもいいと思います。

https://maps.app.goo.gl/pxgwf6PiAVtC7RDs6?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

6日目:「Ulaanshiveet」村近郊〜ウランバートル Relax house

 村からだと舗装路4時間ほどでウランバートルまで戻れます。夕暮れ時の帰り道ではモンゴルの絶景がお見送りしてくれるかも。時間に合わせてゆっくり楽しみながら帰ってくださいね。

今日はホットシャワーからのベッドでゆっくりお休みください。と言いたいところですが、明日がフライトの方は早朝7時の便です。パッキングを頑張りましょう

 

7日目:7日間のお休みの人は昼過ぎには成田着です。今日はよく休んで疲れを取ってくださいね。モンゴルツーリング、お疲れ様でした。

 もう1日予備日がある人は、ウランバートル市内でお土産ショッピンングを楽しみましょう。ノーミンデパートのチョコが美味いですよ。ちなみにSIMを買うのもここの5階。

https://maps.app.goo.gl/4Qv9zjnR3iN5fSLh6?g_st=com.google.maps.preview.copy

 

このコースは移動が比較的コンパクト、景色が美しく見どころが多い反面、どこまでも広がる大草原をひた走る感じではない(丘を駆けることはできると思います)ので、「それするために行くんじゃねーか!」って人にはプランBを紹介しやすぜ。

 

という訳で次回は大草原満喫コースいきます。

KLX230シェルパはセローの代わりになるのか

KLX230、モデルチェンジだけかと思ったら、なんか地味にキラコンっぽいモノ用意してる...

 

news.webike.net

 

ということで、KLX230s乗りかつモンゴルで14日間セロー250を旅の相棒とした僕が、セローとKLXの違いを踏まえつつ考察してみようと思います、てかしてみたい。

 

結論

令和のシェルパは、セローの代わりに間違いなく「なる」!(と思います乗ってないから断言できんけど笑)

むしろ、KLXがもつ優位性もあり、令和のトレッキングモデルとして安心して後釜を任せられると個人的には思います。

 

まずは数字から。

www.bikebros.co.jp

www.bikebros.co.jp

www.kawasaki-motors.com

 

一番気になる車重、シート高、馬力は

 

KLX230シェルパ(以下シェルパ)134kg   845mm   18PS

セロー250(以下セロー)133kg   830mm   20PS

 

車重はハンドガードとスキッドプレート付いての1kg差なので実質同じでいいでしょ。

足つき、エンジンについてはKLXとセローの違いとして深掘りします。

 

まず、先代KLX230sとセローを乗り比べた違いの話。

 

◾️エンジン性能

最高速や加速性能はほぼ同じでした。両車ともMAX120km/時、トルクを伴って素直に伸びていくいいエンジンです。

ただ2点、違いを感じました。

1点目はミッション。

5速のセローに対してKLXは6速。これ、アスファルトの上では全然気にならないですが、少なくともモンゴルのダートでは、5速のセローは1速と2速が離れている感覚で、「1速だと回転高過ぎ、でも2速だと回転足りなくてトラクション掛からず不安定」という場面が結構ありました。

2点目は低速トルク。

セローは極低速では豊かかつなめらかな素晴らしいトルクと感じました。車体と相まって一本橋的なことする時は「トラ(イアル)車」的な感覚で、バランスメチャクチャ取りやすい。

ただ今回のKLX、エンジンちゃんと手を入れて低速トルク作ってきたようなのでいい勝負するかも?

ただ、音はセローの方が柔らかい低音で好きかも。

 

◾️車体

極低速では非常に安定感のあるセロー。足つきと並んでセローの特長ですよね。一方100km以上の速度域ではやや心許ないと感じる瞬間も。。でも僕が乗ったセローは「上」も気を配って乗れば全然巡航できるぐらいの安定感はあると感じました。

一方KLXはリミッター当たる120kmまで車体のブレ全くなく、車体だけで言えば120km巡航も余裕で出来ます。そして実は極低速もコントロール性、全然不満ないです。セローと同時に乗り比べるとややフィーリング違うかなってレベル。

 

◾️足つき(シート高)

個人的にセローとKLXで一番違いを感じたのがミッションとシート高です。

実は先代KLX230sとセロー、シート高は両方とも830mm。数字は全く同じ。

実際足つきに関してはほぼ同じでした。

じゃあ何が違うかというと、シートとステップの距離。

セローは横から見るとタンクからグッと着座位置が下がった形。一方のKLXは、タンクの上に乗っかったシート前端から着座位置までフラットに近い形状。

セローはシートの座る部分を低くしてるのに対して、KLXはサスストローク詰めて車高全体落としてる。

これ、意外にも僕が乗って良かったのはKLXでした。

シートの着座部分が低いとステップとお尻との距離が近くなり、膝の曲がりがきついんです。KLXは膝の曲がりが自然な感覚で、しかもダートのコーナーで必要な「前乗り」もレーサー感覚で違和感なくできます。

ただ、セローの方が座り心地は若干いいです。

サスストロークに関しては、オフロードコースのハードなバンプで速度乗せる時やジャンプする時はかなり厳しいですが、それ以外のダート走行では僕のレベルでは全然問題ないです。

 

今回のモデルチェンジでKLXはシート高15mm上げて845mmになりましたが、その分足回り性能の余裕で使ってるみたいだし、1.5cmなら許容の範囲かなとは思います。

シート形状は写真で見る感じだと大きく変えてまではいないので、方向性は上記の話適用でいいんじゃないかなって感じかと。座り心地、早く確かめたい。

 

◾️まとめ

KLX230シェルパは、セローのポジション担うバイク足りえるのか。

 

装備スペック的にも対抗馬として申し分なく、フィーリングの違いはあれどセローの美点もカバー範囲に収めつつ、そこからもう少しだけ「高く広く」カバーしている(CRFほど「高く」はない)バイクかと思います。そこに6速ミッションやその他現代的な装備がプラスされる...

余談だけど旅好き山好きとしてはエベレストの案内人である部族からとったシェルパという名前、イイ...

 

安心してセローもKLXもブン投げようぜ!

モンゴルのオアシスを発見する

ゲロゲロの体調の中必死にバイクにしがみついてダートを戻り、幹線道路を今度こそ西になぞる。

ダートの上を旅した後はアスファルトの有り難みをしみじみ感じる。日本のさわやか林道案件後の平らな地面は寂しいのに。

 

しばらく走ると、ついに大きな町が見えてきた。この旅では何度も体験することになるが、町が見えた時の安堵感は中毒になるレベル。()

このツェツェルレグの町で予め目星をつけていた「Fairfield guesthouse」を目指す。

普段ならディープでタフな宿も大歓迎だが、今はとにかく心身を休めたい。

焦らすように、何軒か別の宿が現れる中、ようやく目当ての看板を見つけた。宿の前にはヨーロッパから大陸横断してきたような、立派な四輪駆動車なども停まっている。

maps.app.goo.gl

ふらふらになりながらレセプションへ向かう。一泊2000円程度で無事チェックインでき、2階のドミを当てがわれる。

 

その瞬間、信じられないぐらいはっきりと、一気に体が楽になる。体感8℃の熱が6℃台まで下がった気がする。いい加減で都合のいい自分の体にビビる。ここまでの病は気から現象は初めてだ。笑

youtu.be

 

ベッドがある、英語が通じる、ホットシャワーがある、ランドリーサービスまである…ビバ文明。感動すら覚える。

数日ぶりにシャワーを浴びる。気持ちいい。。ちなみに海外で満足にシャワーを浴びれない生活を経験してから、日本での普段の風呂が本当に幸せに感じるようになった笑

 

さて、晩メシだ。

ゲストハウス1階には立派なカフェスペースが設えてある。モンゴルとは思えない、よりどりみどりのコーヒーメニューがある。いかにもきちんと作られたケーキやクッキーがある。ピザやサンドウィッチなど、ハイカラなメニューまで。。今朝まで乳茶と生チーズと肉ばかりの生活(掛け値なしに最高だったけど)からのあまりにもの文明開花っぷりに震える。

 

このブログ、時に記録を見返しながら書いているんだけど、自分の写真フォルダを見て引いた。

鷲に食われかけるぐらいゲロゲロな体調の中、俺はよりによってチーズたっぷりのピザを頼んでやがった。文明開花メニューを見て浮かれまくっていた記憶がありありと思い起こされてくる。発熱レベルの大当たり中やぞ?

しかし、美味い。エベレストトレッキングの時にも感じたが、ハードな状況下でのこういうジャンキーな食い物は、正直最高だ。普段努めて現地の食べ物を選ぶようにしている(それが大きな楽しみ)俺でも、こういう時は別だ。

けれど当然体調が本当に瞬時に治ってしまった訳でもなく、最後の方は気合いで腹に詰め込んだ。

 

そしてピザだけでなく、生命の保証がされた快適なカフェスペース、その中にテーブルがあることにもすっかり舞い上がり、体調なぞお構いなしに呑気に旅の記録まで付け始めた。早く寝たほうがいいとか正常な判断なんて微塵たりとも出てこない。

でも俺みたいなナマグサ社会人旅人にとっては正直、こういう旅の途中にたまに挟まれる快適暮らしもたまらなく魅力的だったりする。オールウェイズ快適な日本では味わえない、コントラストがバッチリ効いた中での文明のよさ。これも旅の中でこそ味わえる強烈な快感だ。

 

体もきれいになり、お腹も心も満たされた。そして小綺麗な部屋の、非常に快適なシングルベッド。

安堵に包まれ、この日は泥のように眠った。

 

続く

大当たりと鷲の襲来

ガンボルトさんの家から発ち、一番近い村へ。

旅の最初に一番したかったことができてしまった。

なんて感傷に浸っているそばから、道沿いのお宅(ゲル)の番犬に通過ざま追い回されてチビりかける。モンゴル番犬、マジ恐え。

そして集落で数日ぶりに、念願のガソリンスタンドで給油。

 

さて、どうしよう。

テルヒン・ツァガーンという湖がモンゴル中部にあるらしい。

特にこれといった目的がある訳ではないが、とりあえず西を目指すことにした。

きっとそのうち何かに出会い、それが結果として目的になるだろう。

チベットの旅でもそうだったけど、明確な目的なく、とにかくズイズイ西進するという行動が好き。極東の国に住んでるからか、自分の土地から離れていく感覚をより感じる気がする。

そしてこのモンゴルという土地でバイクで旅をするというのは、誰かの敷いたレールに囚われず、自分の意思で本当にどこへでも行けるという意味を持つ。道なんて無数にある轍でしかないんだから。自分が新しい轍を引いたっていい。

旅に自由になるという意義があるなら、その点でこれほど自由を感じられる場所を他にまだ知らない。引換えに自己責任も。

 

地図を見て、とにかく真西に行けるルートを取った。

草原というよりやや山あいの道が続く。地図上では大きな道の表記だったが、キッチリダート。さすがモンゴルパイセン。しばらく進むと進路が上りになっていく。

 

そして峠を越えたその瞬間、遥か眼下に広がるのは、視野角いっぱいの大草原と地平線。それを見下ろす丘の上。曲がりくねったただの轍にただ一人、俺はいる。

デケェ。

人工物や障害物など視界の限界を決めてしまうものが無い。誰かの庇護下で体験しているなどの、精神的な鎖も無い。

この陸の上で、心と体でただただ地球感じる経験って、どれだけできるんだろとか考えた。

youtu.be

maps.app.goo.gl

だいたいこの辺り。

 

(歌ってはいけない、気持ち悪い動画になる)そう心で思っていたのに残念ながら止めることができなかった…

そして、動画って一番臨場感伝わる手段だと思ってたけど、案外伝えるのが難しい。。

 

しばらく稜線の轍を満喫したのち、道は緩やかに下っていく。

この時、既に違和感を感じていた。

ひとしきり下った草原。俺はヘルメットを脱ぎ捨てる。

そしてモンゴルの大地に、俺は盛大にぶちまけた。

 

朝、丸1日常温で置いた茹で肉を食べた。冷えているのは乳茶に入れて温めるとのことで食べていたが、当然火を通す訳でもない。内臓部分の風味にそこはかとない違和感を感じていたのが、どうやら大当たりだったらしい。

清々しく、キレイに吐き切った。

ここまで吐いたのだから、きっともう大丈夫に違いないと思える吐きっぷり(スミマセン…)

 

落ち着いたので出発する。

しばらく走っているが、妙に体が重い。疲れる。

そうして茶色と緑色の道をどれだけ進んだだろうか。

ようやく景色の中に地図で確認していた大きな川が見えてきた。

道が川に行き当たればそこに集落もある。大きな舗装路にも乗れる。人里に到着だ…!

maps.app.goo.gl

安心感と疲労感でたまらず河原で大の字になる。

モンゴルの強い日差しが心地良い。

そのまま小一時間昼寝を決め込む。



なんとか動ける程度にはなった気がする。

さて。

どうやらここからしばらく南下すると温泉があるらしい。そこでキャンプなどすれば楽しいだろう。

maps.app.goo.gl

重い体に鞭打ち、目的をそれに定め出発する。

 

川と舗装道路のぶつかった所に集落があったので、飲み物を補給してまっすぐ南下、ダート道になる。

ところがどうして、行けども行けども距離が稼げない。

小さな川など越えながら進んでいくが、轍を1本トレースミスするだけですぐルートから逸れてしまう。

そしてこの頃には体調も相当悪くなってきており、発熱による疲労でバイクを前に進めることもきつくなってきた。

 

バイクから降りてしゃがみ込んでいると、今度は何やら頭上が騒がしくなってくる。

見ると鷲の類が集まってきてしきりに旋回している。

チベットでは鳥葬で活躍する奴らだ。よく道沿いで事切れている家畜たちに群がり啄んでいる姿を目にする。

 

待て、俺はまだお前らのメシじゃねえ。

 

このままナメられてるとどこかのタイミングでマジで食われかねない。所詮この世は弱肉強食。志々雄パイセンが目指す間でもなく、この蒙古の大地の支配者は大自然の掟のみ。

ふざけんなとばかりに力を振り絞り、バイクに跨る。

地図を確認するも温泉地まではまだ1時間以上は掛かりそうに見える。そしてこの体調で温泉に入り、野営しようものなら余計に悪くなる一方だろう。

後ろ髪を引かれる思いで草原の温泉地に背を向け、町の宿を目指すために来た道を折り返した。

 

続く

別れ そして再び旅立ち(←言ってみたかった)

87日(月)

朝、ゲルのベッドで起床。通気性と保温性が絶妙にコントロールできる構造のようで、なんの寒さも寝苦しさもなく、爆睡させていただきやした。

朝ごはんはモンゴルゲル生活定番の自家製クリームチーズ(ウルムというらしい?)とパンにスーティーツァイ(乳茶)

そこに昨日の昼に茹でた羊肉の残りも。乳茶につけて温めて食うとのことだったが、冷蔵庫も何もない環境で1日置いたことと僅かな風味に一抹の不安を感じ、一口ふた口程度で遠慮させていただく。まあ手遅れだった訳だが。

ちなみにモンゴル乳茶、チベットのバター茶をお湯で薄く延ばしたような感じで俺はいくらでも飲める程口に合った。

乳の風味に抵抗ある人は苦手かもだけど。


この頃には「テラ、テラ!」と遠慮や距離感を感じない気安さで名前を呼んでくれるようになっていた。

親族同士で楽しく過ごすひととき。お盆みたいなタイミングだったのかな。

 

楽しい時間をたくさん過ごさせていただいたけど、そろそろお暇しなければいけない。

お別れ前にせめてと、日本から持ってきた食べ物の中でも一番とっておきの、綺麗な砂糖菓子を皆に。

みんなで楽しく食べてもらったことも、大事な思い出のひとつになった。




荷造りをみんなで見てくれる。サイドバッグとマフラーのクリアランスがかなりタイトだったので、ガンボルトさんが添え木をしてロープでバッグを括り上げてくれた。



最後に記念写真を撮りたいと伝えると、一張羅であろう伝統衣装を貸してくれ、あれよという間にみんな正装してくれ、一緒にパチリ。

この写真は一生の記念、宝です。






「また来年の夏にはここに遊牧で戻ってくるから、来るといい」と言っていただいた。

「ぜひ、また来ます」と返した。

 

嵐の窮地を助けていただいた上にここまでよくしていただき、こんなにも楽しい時を過ごさせてもらった。

決して忘れることはない。本当に、ありがとうございました。

 

皆に見送られながらバイクに跨り、もとの一人の旅空に。一抹の心細さすら感じるほどの、安心して過ごさせてもらった時間だった。

 

続く