てらのバイク旅

日本社会でガッツリ働きながら海外をバイク旅して、体験したことや感じたこと、旅の情報を綴ります。 モンゴルバイク旅の素晴らしさと情報を発信したいと思い、立ち上げました。

モンゴル日記1 日本出発


8
2日(水)出発の日

 

1年ぶりの成田。

8年ぶりのスーツケース。

2014年、初めて自分の意思で訪れた海外、南仏プロヴァンス地方で海外旅行の面白さにハマり、気づいたらアジアの辺境ばかり彷徨う人種になってた。(急ハンの経緯は機会あればまた)

ネパールを境に旅行道具収納ボックスと化してたタイヤ付きの四角い箱。

近年ずっと「スーツケースなんて」と見下してきたフシがあったのに、今回は誇らしい。海外で、モンゴルで、バイクに乗って一人旅をするためのギチギチ。

去年インドラダックを周るためにバイクを借りて走り、今度は海外バイク旅にやられた。あんなん経験したらもう駄目だ。面白すぎる。

 

準備も楽しくてしょうがなかった。バイクの先輩方にも相談しながら必要な物を見繕い、方々かけずり回って買い求め、時にはその場のひらめきでイカしたアイテムを買い足す。

通常の旅行では御法度の、ギッチギチのパッキング。閉めるのに小一時間かかった。

重量は想像もつかない。入りきらない荷物はいつもの相棒、エベレストベースキャンプのワッペン縫いつけたミレー45Lバックパックに放り込んだ。間違いなく機内持ち込みの5kgをオーバーしてる。ナショナルキャリアなので大目に見てくれるること期待しつつ、もしダメなら素直に6000円払うハラで空港へ。

 

1年前にラダックに旅立った時と比べて明らかに活気がある。あの時は陰性証明やらアプリやらが攻略法の一つになってたな。歴史。

チェックインカウンターでは受託手荷物22kg23kgまで),ミレーも量られ余裕の4kgオーバーだったけど、「(出国するまでこれ以上)オミヤゲ買わないでね」と寛大な采配のモンゴル人スタッフの方。感謝!

 

14時成田発のミアットモンゴル2便で出発。

 

機内食、モンゴルだから肉にはこだわりあるかもと牛肉を選んだけど、案の定脂が甘くてかなり美味い。

5時間半のフライト、ここまでほぼノープランだった旅の計画練ってたらあっという間にそろそろ到着。窓からモンゴルの大地を眺める。ワクワクする瞬間。

 

 

 

 

ここまで首都の空港で周囲に何もないのは初めてだった。

眼下を観察してると草原の中にうっすらと轍がどこまでも続いてて「あんな所を走るのかな」とか思ったり、ゲルがぽつんと建っていて羊が群れ成していたり。

降りる前からこんなに楽しませてくれるのか。テンション上がる。

 

荷物をピックアップし外に出ると、宿の迎え(送迎お願いしていた)でモンゴルの方が来てくれていた。(後から聞いたが味戸さんの奥さんのご兄弟とのこと)

初手からノーイングリッシュ、オンリーモンゴル語。車に乗り込むと後部座席には娘さんと奥さんと思しき人が乗車。

客商売でも日常生活を犠牲にしないこの感覚が好きなんだよな。日本もいくらか見習えばいいのに。



空港の外に出る。草原を渡ってきた清らかな風が吹き抜ける。空気が本当に爽やかだった。暑くも寒くもなく、湿気もない。日本では日没の時間だろうが、モンゴルではまだまだ明るく、僅かに夕暮れに向かいつつある空がまた美しい。

アスファルトを快調に滑っていく旧式プリウスの窓を開け、風を楽しむ。

 

ウランバートルの市内に入ると車の量がどんどん増え、最終的には道路はほぼ動かなくなる。

おいおい東京でも通常ここまでの渋滞にはならねーぜ。という凄まじさ。

結局1時間の道のりに3時間(!)かけ、ヘロヘロになりながら今回お世話になる味戸さんの営む宿、Relax Houseに到着。

この宿の主の味戸さん、車好きなら引っくり返る程の輝かしい経歴をお持ちの方。

個人的に長年スバル車に乗っていることもあり、尊敬と関心とでぜひお話ししてみたかった。

旅の準備段階からド素人の私の相談にも本当に色々と乗っていただいたこともあり、到着の晩からモンゴルのこと、日本社会との違いなど、様々な話で盛り上がり、大分夜遅くなってしまった。けど、最高の滑り出し。

まさに文字通り、自宅のように快適な宿でぐっすり就寝。

モンゴルツーリングって、個人でやれるの?



こんにちは。てらです。

今回はモンゴルで単独ツーリングを行うに当たって、「実際、ソロでやれるの?」「モンゴルってどのぐらいの難易度?」「注意するポイントってどんなのがあるの?」という辺りをあくまで一般ライダーの目線でお話できればと思います。

モンゴル嗜まれている皆さん、スゴイ人たちばっかなので、ツーリングレベルスライムベスぐらいの僕目線でお送りします。

◇運転難易度について

       モンゴル            ★★★☆☆

参考   ラダック      ★★☆☆☆

             日本のフラット林道 ★☆☆☆☆

地図上で太い道になっている場所でもダートの場所が多かったりとラダックなどと比較してもオフロード走行の割合が多く、多少は慣れていないとしんどく感じるかも知れません。逆に「おい早くダート食わせろ」みたいな人にとってはヘブン以外の何物でもないと思います。(ゲロ吐きたい人用ではないです笑)

路面はフブスグル湖周辺地域やゴビ砂漠など、一部を除けば大荒れしている訳でもなく(穴ボコはえげつない所ありますが)、オフロードの基本を体験したことのある人なら調子に乗らなければ快走(or無事通過)できる道がほとんどだと思います。

ラダックはザンスカール新道など一部を除けばオフロードそれほど経験なくても走破できそうなのに対して、モンゴルは全くの未経験の人にはあまり薦めることができないのは事実です。逆に日本で林道ツーリングを嗜まれていたり、ラダック辺りを経験されている方に対しては「次のステップ」としてとても走りでのある場所だと思います。

「北海道がとても小さく感じる」という声もあるらしく(実際そういうイメージを感じました)、そちらのネクストステージとしても最高だと思います。

これは実体験ではなく話や画像等からの主観ですが、運転技術の話で言えば、モンゴルを抜けられれば多くのユーラシア大陸は行けそうな気がするので、「試しの地」という捉え方をすることもアリと思います。

オフの中で一番難しいと言われるサンド=砂漠もあるので、お仲間いれば(or自信あれば)そちらに挑戦することもできるので、そういう用途でもぜひ!

リスクヘッジについて

モンゴルを単独でバイク旅する際に最も気になる点のひとつが、「不慮のトラブルの際どうすればよいか」だと思います。これがクリアできずに諦めている方がきっと多いかと。かくいう私もここでかなり悩み、試行錯誤しました。大草原でただ一人。故障やパンクの際、どうすれば

というのも私自身の整備レベルは

「ミラーなど、簡単な工具でネジを回せば取れる部品の交換程度はできるけど、パンク修理はおろかオイル交換も自分でしない」

という、バイク大好き人間としては恥ずかしいほどの「乗りっぱなし」です。。(やっと最近オフ遊びで、簡単な修理だけ先輩方と一緒にやるようになりました)

ちなみに今回2週間、モンゴルを一人旅して得た感覚値としては、

「確かにダート自体は多いものの、マップから外れなければ車も通るしゲルもある(助けてくれる人がいる)。そして空気圧をあまり落とさず、「壊さないこと」を第一に、慎重に「道」を走っている以上、重大な転倒やパンクその他トラブルにはそうそう陥らない=必要以上にバイクのトラブルを心配することはない」

という風に感じました。(後述するAGの話も参考にしてください)

車が通らないような場所を通る際は「最後のゲルからどれぐらいの距離かな」ということを意識して走ると良いと思います。車も通らない、助けを呼びに行ける距離に人がいない場所へは基本突っ込まない。(普通に旅してるとそんなにそういう場所に行くことはないです)

ただ気付かない内に道を外れてしまったり、場所によっては交通量が多くない所もあるなど、対策は必要です。

次回は(長くなっちゃうと読みづらくなりそうなので)実際に私が一人旅への備えとして用意した道具類と考え方を紹介していきたいと思います。

旅のきっかけ

元々社会人バックパッカーとして南アジア地域やチベット仏教圏の魅力に取り憑かれ、アジア圏を中心に周っていました。また、学生時代からバイクが大好きで、普段の足から最近はサーキットやオフロード(コース、林道とも)なども通じて仲間の皆さんにも恵まれ、バイクライフを日頃から目一杯楽しんでいます。

 

コロナ禍からやっと海外旅行が解禁された2022年、ずっと積み課題だったラダック(インド北部のヒマラヤ山岳地帯)に行き、バイクを借りてひとり旅をしました。(最近かなりの方が行かれてますね!)

 

そこで、時に未舗装のルートを通過する必要があり、自分の技術や判断力が少なからず問われることがあったり、代わりに国内旅行でもバックパッカーでも中々味わえない「自分の意思でどこまでも自由に行ける」という、枠の外に出られるような感覚が味わえる海外バイク旅に魅了されました。

 

「ああ、なんて開放感のある、美しい世界なんだ」

 

「日本でのバイクの『練習』は、ここでの『本番』のためだった

 

と思えるほど、バイク乗りとして、また旅人として充実した時間でした。

ここで、海外をバイクで旅することの素晴らしさが我が身の深い部分に擦り込まれたワケです。

 

ここでの本題ではないですが、ラダックは難易度的にも土地の持つ魅力的にも非常におすすめできる、素晴らしい土地です。まだの方はぜひ一度行かれてみてください。私もまた訪れたいと思っています。

 

閑話休題

 

そして2023年。ラダックから繋がった様々な縁などもあり「海外バイク旅」という選択肢が自分の中で無視できないものになりました。アラスカ、中央アジア、バハカルフォルニアなど、行きたいと思った所がいくつかあったのですが、航空券の高騰など諸々の事情を勘案し、浮かび上がってきたのがモンゴルという選択肢。

 

けんさんのブログ

wr250xxx.com

で、本当にいきいきと楽しまれている様子を拝見し、モンゴルでバイクに乗るということに惹かれました。

 

しかし一人旅となると途端に情報がない土地でもあり、リスク面が無視できない場所柄でもあります。

訪れているのはユーラシア大陸横断組の皆さんばかり。。私とは準備もバイクへの造詣も違います。

 

そこで出会ったのが、メタボンさんのブログ

metabon1975.com

 

モンゴルでの一人旅を後押ししていただける情報と語調でした。

 

メタボンさんに連絡を取らせていただき、モンゴルでのキーパーソン、Relax Houseの味戸さんを紹介していただいて、今回2週間のバイクひとり旅を実現しました。

 

ただそこで意思決定の際よぎったのが、「万一何かあった時、死ぬのでは?」

 

そりゃそうですよね

情報もない広大な大地で、人里離れた未舗装路を場所を一人で走行することも想定される中、私はバイクを整備する技術を持ち合わせていない人間。不測の事態に対応できるのか死ぬの

 

このブログでは、そんな「バイクに特別詳しくない、整備もあまりできない、フツーの日本人」が海外のそんな土地で、どうやってバイク一人旅を成立させたかをお伝えできればと思っています。

 

あの感動、知らずに死ぬには勿体ねぇ、皆行けや。という精神です。笑

モンゴルツーリングについて

2023年8月、仕事の夏休みを利用し、半月(16日間)モンゴルでバイク一人旅をしました。

そこで感じたモンゴルバイク旅(ツーリング)の素晴らしさ、そして旅に必要な情報を伝えていければと思っています。

このブログをご覧になった方がモンゴルバイク旅に思いを馳せたり、実行したりすることができれば嬉しいなと思っています。

 

順次更新していくので、よろしくお願いします。